« 映像で学ぶ・・ | トップページ | お得なお留守番 »

2012/07/24

自閉逸話

昨日、そろそろ寝よか・・って思ってた時にパオラからケータイメッセージが届いて。
こんな時間にメッセージが届くことってええ話ちゃうんよね。
前に遅い時間にメッセージくれたときは東日本大震災やったし・・・。
今回は何事?!って思って見たら

「起きてる?起きてたら電話してもいい?!」

ますます「何事!?」

で、電話がかかってきたんやけど・・・・。

義理の親んちにみんなで行ってたんやって。で、9時過ぎには4歳の双子ちゃん達も
眠たくなって、自閉ちゃんで聾のSちゃんがカウチでグッスリ眠ったらしい。
で、大人達は引き続きご近所の引っ越しで不要品をもらったりとかでガヤガヤ。

そのまま暫く時間が経った時に見知らぬ人が「迷子の女の子がいるけど知ってるか?」

で、話を聞いたら「茶色の髪の毛に青い眼で、どうも障がいがあるみたいな・・」

それを聞いたパオラはすっ飛んでカウチを見に行き、お父さんの方は表に飛び出し。

ええ、みんなが知らん間にSちゃん、1人でお出かけしてたらしいです。
Sちゃん、染色体の異常もあるんで筋力がめっちゃ弱くて、歩くのもおぼつかんのに
3ブロック向こうまでテクテク裸足で歩いてたらしくてね・・・。

でも無事に見つかって、お巡りさんと一緒に帰ってきたんやけど。
Sちゃん本人は電気がキラキラしてるパトカーに乗ったし、お巡りさんは坊主頭の
巨体の男前で、抱っこされてご機嫌でウキウキ状態で帰って来たんやけど。

お巡りさんは職務質問するわけよ、パオラとダンナに。
でもパオラはショック状態で表情もすっかり無表情のまま話の受け答えをしてたら

「アンタは何を考えてるんや?何をしてたんや?」

ってな感じで責められて、挙げ句の果てには「福祉施設に通報する」とまで言われて
ますますショックで落ち込んで。
でもSちゃんはお家に帰ってきたんやけどね。
お巡りさんからSちゃんを受け取るのにパオラが手を出したら、Sちゃん、スルッと
お母さんの方に来たんやけど、でもその背の高い男前のごっついお巡りさんの方に
また手を伸ばして「こっちのほうがええ」みたいにするし、ホンマに立場なかったって
言うてて。

まぁとにかくその昨日の夜の職務質問では散々な事を言われたらしく、おまけに
福祉施設に通報とまで言われて、もうパニクって、これは経験者にどうしたらいいか
聞くしかない!ってことで、脱走自閉くんの取り扱いプロ=CJのお母さんに電話。

そしたら「通報なんかありえへん!明日、一緒に警察に行ったる!」って事になってんて。

で、ちょっと落ち着いて、母ちゃんのとこに電話してきて(でも泣き声やったけど)。

で、一晩明けて、今日オフィスで会って。
今日はなーんの仕事にもならんかったけど、あれこれ話して。
やっぱりそういう「逸話的自閉談」って同じ同士の母同士じゃないと分かり合えんとこが
山盛り・・っていうか、正直な話、本音の所はやっぱり同士じゃないと分からんし。

自閉関係者じゃない人やったら「大丈夫よ。これから気をつければいいのよ。」って
フツー言うやん?
でも自閉症と本気で毎日付き合ってると「またやらかすで。」やん?

で、そんな修羅場を母ちゃんよりももっと場数を踏んでるCJのお母さんが
お昼前にオフィスにやってきて・・。CJも一緒に。

「さぁ、警察に行って話をしに行こう。あ、CJには前もって何も食べさせたり
 飲ませたりしてないから、間違いなく警察で問題行動を起こすと思うけど
 これこそ自閉症!っていうとこを見せるからね!任しといて!」

ホンマに強者です、CJのお母さん。

で、パオラとCJとCJのお母さん。3人で警察に行ったら、昨日のそのSちゃんが
懐いた(?)警官がたまたまいてて。主任級の人やったらしいわ。
で、パオラが改めて落ち着いて事情を話し、その後でCJのお母さんが「福祉施設に
通報なんてありえへん。うちのCJは過去に5回家から脱走して、警察のお世話になって
見つけて連れて帰ってきてもらったけど、通報するなんて言われた事ない。」

CJのお母さん曰く、これは間違いなく「人種差別」やって言うんよね。
パオラはコスタリカ出身。パオラのダンナさんとその親戚はヒスパニック。
CJんちは白人。しかも裕福層。その差が「福祉施設に通報」になったんやと。

理不尽な話やけど、アメリカってそうなんよ。

ま、でもCJのお母さんが一緒にいって、CJの名前を話の中に織り交ぜて喋るたびに
自分の事を言われてると思うCJは金切り声で叫び、それ以外の間は警察の窓口の
机の上にあった1ペニーのコインを取ろうと紙を丸めて必死で寄せ集めようとしたり。
まぁ色々CJのお母さんの思惑通りやらかしてたそうで。
で、そんなCJを見せながらCJのお母さんは「今回はこういう展開になったけど、
絶対にまたSちゃんも脱走するに決まってる。その時にはどうしたらいいんですかね?
もうちょっと警察の方でどうにか対処してもらわないと、自閉症の子を持つ家族は
何も信用出来ずに生活することになるんですけどね?」みたいに詰め寄ったら
警官も「ああ・・」って思ったらしく、パオラにSちゃんの写真と特徴を書いて
メールしてきてくれ。そしたらそれをファイルに残しておくから・・ってな話で
収まったらしいです。

ただ、昨日脱走したのは事実で、それに警察が関与したのも事実だから、記録として
残しておかんとアカンから・・ってことで、実際にどうこうなることはないけど、
でも「記録」として「通知」?されるみたいね。

ま、何にしてもとどのつまりに言えることは、こんだけ自閉症の発生率が増えてても
自閉症の事を理解してる人っていうのはヒジョーに少なくて、相変わらず困った
社会になってるってことと、それにつけくわえて白人じゃないマイノリティーは
ホンマに不利な立場になるってことですかね??

でもでもでも、Sちゃんが無事で良かった。

******

で、オフィスでこんな話をして、Sちゃんの話とか、タクの昔やらかしたこととか、
CJの逸話とかでちょっと凹んだ空気やってんけど、タクは今日はキャンプから
映画を見に連れてってもらってて。

お昼に帰って来た時に「何の映画見てきたん?」って聞いたら

「Dango!」

ダンゴやなくてRangoや!
ホンマにタクのオチは・・・・大阪色どっぷり。

|

« 映像で学ぶ・・ | トップページ | お得なお留守番 »

考える日記」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。